子どもたちとともに エリザベス・サンダース・ホームは今・・・

今回は、エリザベス・サンダース・ホームで働く職員のブログです。 どうぞご覧ください。

今年の夏休みも緊急事態宣言が発令されているので、ほとんどの子どもたちは施設の外に出ることはできずにいます。そのような状況ですが、おかげさまで大きく体調を崩すことなく生活しています。お盆の頃、私の担当している寮でバーベキューを行いました。
日本各地でも大雨が降りぎりぎりまで天気を心配していましたが、その日は雨も降らずに流れる雲の切れ目からうっすら月も見えていました。肉や野菜を炭火で焼き屋外で食べるのは格別に美味しく1人1人の笑顔や表情も生き生きとしていました。高校生を中心にお肉を焼いたり荷物を運んだり声を掛け合いお手伝いもしてくれました。食後は花火をして終了間際に土砂降りになってしまいましたが盛況の中、みんなが参加し短い時間でしたが楽しく過ごすことができ、夏休みの思い出となりました。(2021年8月  N職員より)

子どもたち一人ひとりに、かけがえのない出会いがあります。それは、当たり前のように過ぎゆく、暮らしの中にあるものなのかも知れません。今日も、明日も、明後日も、変わらない暮らしがあるということが、どんなに幸せかということを、あらためて感じた一年間でした。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、ささやかな暮らしが脅かされる事態となりました。昨年の春に緊急事態宣言が発令されたことで、各学校は臨時休校となり、宣言解除後も時差登校や短縮授業等の感染予防対策が講じられ、夏期及び冬期休暇が短縮されるなど、その影響は年間を通じて続きました。不要不急の外出自粛に伴って、園の行事もほとんどが中止となり、誕生日の外食に行くことも、長期休暇中のおでかけに行くこともできませんでした。友人との付き合い方、家族との過ごし方にも変化があったため、さびしい思いをした子どもも少なくありません。未知のウイルスは何をもたらすのだろうか、この先どうなってしまうのだろうか、と不安な思いを抱えた日々が思い返されます。

心配事や不安が膨らむばかりのときだからこそ、私たちは前を向くように心がけました。子どもたちが描く未来とは、悲観するものではなく、無限の可能性に溢れた、明るく照らされたものであってほしい、と願うからです。何もできない、どこにも行けない、と考えるのではなく、お家で過ごす時間が増えたと捉えなおして、子どもたちと話し合いながら、豊かな暮らしを創るために力を合わせました。日々の暮らしで感染予防対策を講じながら、毎日の食事を彩るために新メニューを開発したり、配膳方式でバーベキューをしたり、食べる楽しみをともにしました。園内のスクリーンを使って映画の上映会を企画し、人数制限や座席を指定する等、願いを叶えるだけでなく、マナーを伝えるための工夫をこらしました。巣ごもり計画と称して、お家時間を充実させるための買い物を企画し、何が必要かを話し合いながら、彩りのある暮らしを創出しました。遊びのフィールドを拡げるために、バドミントンコートを設置したり、青空の下で卓球大会を開催したり、寮対抗ゲーム大会(美味しいケーキのお土産付)を行ったりしました。生命の安全を第一としながらも、色鮮やかなアイデアによって、同じ時間を共有することの素晴らしさを分かち合うことができました。


この春、チャプレンの島田司祭にお越しいただき、創設者の澤田美喜園長邸(ママちゃまハウス)前の広場で、高校を卒業して新たな歩みをはじめる子どもたちを祝福するために、卒園礼拝を捧げました。大学等に進学する子ども、就労する子どもに思いを寄せて、エリザベス・サンダース・ホームで暮らす子どもたち、身近で見守ってきた職員が、一人ひとりの人生が素晴らしい歩みとなりますように、と心を合わせました。皆がマスクを着用していたため、表情は見えにくくなりましたが、スーツ姿の子どもたちを、優しく温かなまなざしが包みます。朝寝坊ばかりしていたあの子は、きちんと仕事に行けるだろうか。好き嫌いの多いあの子は、インスタント食品ばかりにならないだろうか。片付けが苦手なあの子は、適度に掃除をすることができるだろうか。新しい環境に戸惑っていないだろうか。良好な人間関係を築くことができるだろうか。この先も、きっと心配ごとはつきません。だからこそ、連絡をとり合って、職場に行ったり、家に行ったり、実際に会って、顔を合わせて話をします。それは、ただ単に心配だから、おせっかいをやいているわけではありません。子どもたち一人ひとりを信じているからこそ、人とひととがつながっていること、つながれるということを伝えていくためでもあるのです。

時代とともに、社会の在り方や暮らしの様式が変わったとしても、私たちにとって最も大切なのは、子どもたちであることに変わりはありません。いつの日も、子どもたちの声に耳を傾けます。目の前にいる子どもは、どうなりたいと思っているのだろうか。それぞれが描く夢の実現に向かって、充実した日々を過ごせているのだろうか。いつの日か、巣立ちゆくからこそ、生きていくための糧となるように、ありのままを受け止め続けます。厳しい季節を乗り越えて春が訪れるように、子どもたちが幸せな日々に恵まれることを願って。子どもらしさを存分に発揮し、充実した子ども時代を過ごせるように。
(エリザベス・サンダース・ホーム 施設長より)

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