エリザベス・サンダース・ホームのあゆみについて

エリザベス・サンダース・ホームの名前の由来は?

エリザベス・サンダースさんという英国人のお名前をいただいています。サンダース女史は、三井財閥一家の三井高精氏が、ロンドン駐在中に子息の養育係として採用され、一家が任期を終えて日本に帰るとき、請われて来日し、以後戦時中の困難な時期も含め33年間にわたり三井家に仕え、昭和21年に東京で亡くなりました。遺産として遺された170ドルの使途を託された友人のルイス・ブッシュ氏が、澤田美喜と親交のあったポール・ラッシュ氏(山梨県清里に高冷地農業・畜産業を導入し、清泉寮を開設した人)に相談し、折からの混血孤児のための乳児院設立に奔走していた澤田美喜に開設資金として寄附されたのです。澤田美喜は、最初の寄附者のお名前をいただいて施設の名前としました。ホームの子どもたちは毎年、横浜山手の外国人墓地にあるサンダース女史のお墓参りをしています。

隣設している聖ステパノ学園はどのような学校ですか?

エリザベス・サンダース・ホーム創設時に乳児だった子どもたちが成長して学齢期に達したとき、学校入学という問題がおきてきました。当時の社会情勢では混血児たちが抵抗なく地域の学校に受け入れられる状況ではなかったため、澤田美喜は1953年同じ敷地内に小学校を設立し、聖ステパノ学園と名付けました。聖ステパノは聖書に出てくる聖人の名前ですが、終戦直前に戦死した澤田美喜の三男晃の洗礼名でもあります。1959年には中学校も創設されました。聖ステパノ学園は、男女共学の小中一貫教育で少人数での教育を行っています。

エリザベス・サンダース・ホームは、どのような場所に建てられているのですか?

JR東海道本線大磯駅の改札口を出ると、目の前に鬱蒼とした木々に覆われた小山があります。以前、地元の人はここを「岩崎山」と呼んでいたそうです。その名のとおり、ここには三菱財閥の創始者岩崎彌太郎の別荘がありました。第二次世界大戦後の財閥解体に伴い、この土地と建物は財産税として国に物納され、一旦は岩崎家の手を離れました。しかし、澤田美喜がエリザベス・サンダース・ホームの設立を決意したとき、その場所として頭に浮かんだのは、自分の幼少時代や病気で療養していた時に過ごしたこの大磯の別荘でした。この土地を買い戻すために澤田美喜は寄付集めや借金に奔走し、やっとの思いで手に入れたのです。この土地は総面積1万坪におよび、敷地の中に、エリザベス・サンダース・ホームと聖ステパノ学園が分けられて建っています。

エリザベス・サンダース・ホームの長いトンネルはいつからあるのですか?

エリザベス・サンダース・ホームと聖ステパノ学園の看板がある正門から中に入ると、右手に聖ステパノ学園の校舎が並び、左手にある約100mのトンネルを抜けるとエリザベス・サンダース・ホームの本館があります。トンネルの名称は「陽和洞(ヨウワドウ)」といいます。創設者澤田美喜の著書から推測すると、陽和洞は明治時代に岩崎家の別荘が建てられたときからあったようです。この広大な敷地の平地部分は小山によって、現在聖ステパノ学園がある北側と、エリザベス・サンダース・ホームのある南側とに分断されているため、両方の平地をつなぐためにトンネルをつくったのだと考えられます。現在は埋められていますが、トンネル内には4カ所の横穴があり、その昔は蚕を飼っていたことが澤田美喜の著書に書かれています。

澤田美喜記念館は、何を展示しているのですか?

澤田美喜の名前を冠した記念館ですが、本人の遺品が展示されているわけではありません。澤田美喜が生前40年にわたって九州(長崎、平戸、島原、五島列島等)のみならず、日本の津々浦々を巡って収集した隠れキリシタンの遺物が870点余りが収蔵されこのうち、250点余りが展示されています。澤田美喜はエリザベス・サンダース・ホームの運営が困難に出会うたびに、この遺物と向かい合い、迫害・弾圧を受けた往時のキリシタンの苦難を思い、自らを奮い立たせて神に祈ったと伝えられています。

現在のエリザベスサンダースホームについて

児童養護施設はどのような施設ですか?

児童養護施設は児童福祉法に定められた児童福祉施設の一つです。児童養護施設には予期できない災害や事故、親の離婚や病気、また不適切な養育を受けているなどさまざまな事情により、家族による養育が困難な2歳からおおむね18歳の子どもたちが家庭に替わる子どもたちの家で協調性や思いやりの心を育みながら、生活しています。児童養護施設では子どもたちの幸せと心豊かで健やかな発達を保障し、自立を支援しています。

エリザベス・サンダース・ホームを運営する費用はどこから出ているのですか?

施設を運営するための費用は、国庫負担金から措置費として支給されます。建物の増改築や設備を更新するする場合は、補助金の支給もありますが、自己資金の準備が求められます。児童養護施設は自らの活動でお金を生み出す手段を持たないので、エリザベス・サンダース・ホームは善意ある方々からのご寄附、日本聖公会ほかキリスト教関係諸教会、信徒の皆様やその他関係諸機関等、多くの方々の善意により、温かいご支援をいただいています。

毎日の食事はどのようにしているのですか?

敷地内にある厨房棟には専任の栄養士と調理師がいて、子どもたちの食事をつくっています。子どもたちが生活している各寮の職員が、子どもたちと一緒に厨房棟で食事を受け取り、寮の食卓でいただきます。それぞれの寮には、システムキッチン、炊飯器等の調理家電、調理器具一式が整備されており、部活動で帰りがおそくなった子どもに、温かい食事ができるよう配慮しています。

施設を退所した子どもは、その後はどうなるのですか?

18歳を過ぎると就職または進学等、高校を卒業するまでに進路を決めて、原則として高校卒業年度に退所することになります。ご家庭の状況により家庭引取りとなって家庭から勤めに出たり、大学や専門学校に進学する子どももいますが、多くの子どもたちは就職して会社の寮に入ったり、大学の寮に入ったり、部屋を借りて一人暮らしをしたり、あるいは福祉的なサポートが継続して必要なこともあります。大学等に進学する場合、かかる費用も多額になるため、奨学金制度を利用するなどして進学に向けた計画を一緒に考えます。退所した後も、職場に訪問して様子を聞いたり、会いに行って話したり、人とのつながりは続いています。

エリザベス・サンダース・ホームでは、ボランティアの受け入れをしていますか?

敷地内の落ち葉掃除や草刈り、樹木の手入れ、子どもたちの自転車の修理、竹とんぼ制作、木工教室等を行うボランティア、子どもたちの勉強をサポートする学習ボランティア、宿題のお手伝いや子どもと一緒に遊ぶボランティア、子どもたちの調髪をしてくれる美容師のボランティア、礼拝堂で行われる日曜学校のお手伝い、縫物や繕い物のボランティアなど、多くの方々の善意に支えられています。

エリザベス・サンダース・ホームの見学はできますか?

児童養護施設は、子どもたちにとってくつろげる「家」の役割を担っているため、生活空間のプライバシーを保護するために、一般の方の見学はご遠慮いただいています。民生委員や児童委員の協議会、子どもの福祉をともに推進する団体や関連機関の方については、予約調整を行い、エリザベス・サンダース・ホームの説明を行っています。また、敷地内の地域交流スペースを会場提供等の開放しており、子育て支援や里親制度のための企画、地域の方々のサークル活動等が行われています。

寄附金について

エリザベス・サンダース・ホームに寄附をすると税金面での特典はありますか?

エリザベス・サンダース・ホームにご寄附をされた場合、「特定寄附金」として所得控除の対象となります。個人の方は確定申告をすることによって所得税の控除を受けることができます。平成23年税制改正によって従来までの「所得控除」に加え、新たに「税額控除」も適用されております。ご寄附者の方は確定申告の際に、「所得控除」と「税額控除」のどちらかを選択して所得税の控除を受けてください。法人(会社等)からのご寄附につきましては、特別損金算入限度額の寄附金として損金算入することができます。詳しくは、最寄りの税務署にご相談ください。